湘南ロシア倶楽部 ビジネス部会で第2回目の日露ビデオ会を実施しました。

約90分の討議中、話題はロシアの現状から日本の外食産業の状況まで、それぞれの分野に詳しい会員の方々から詳細は報告があり、あっという間に予定時間となりました。 一応、議論の概略をアップしておきます。 日露ビデオ会への参加は会員を対象とさせていただいています。


件:湘南ロシア倶楽部ビジネス部会第2回オンライン会合
参加者分布 ― モスクワ・クラスノヤルスク・東京・横浜・千葉・葉山・鎌倉
【テーマ1】ロシアにおけるCOVID―19(新型コロナ)情勢
全国的に、陽性者は多いものの、死亡者が少ない疾病だとのロシアでの受け止め方で、このため、6月に入ると、各地で多くの人々が森や湖水に出かけている。 マスクをしている人はほとんどいない。 遅れ気味の政治日程は、連邦政府も各地方都市も6月から巻き返しを図っていて、政治的な危機を国民に感じさせないような努力がされている。(例:5月9日予定だった軍事パレードを6月24日に実施する)一方、ショッピングモールや外食店は、引き続き休業中で、これら消費セクターの落ち込みは非常に大きい。
【テーマ2】日露貿易の現状
第1四半期の両国貿易量は、若干の落ち込みで終わっているが、その後第2、第3四半期とコロナの影響が響き、通年での日露貿易量は例年の半分以下になるだろうと予測されている。ロシアからの引き合いはほとんどないに等しいが、例外的に医療関係(医療機器、消費財)が動いている。 9月2−5日に実施予定だったサンクトペテルブルクでの経済フォーラムは中止の方向。 これはロシア政府の権威づけに必要なイヴェントであり、これをなくすことがどんな影響が及ぼすか、注視の要あり。
【テーマ3】日露ビジネス関係の今後
この1、2年、ロシアにおける日本の存在は希薄化が進んでいる。 それが、コロナによる日本企業の業務の停滞、駐在員の帰国などで、ますます顕在化する傾向がある。 日本からロシアへ、という従来の風潮はここ数年で、かなりロシアから日本へ、というインバウンド志向に変わりつつあるが、今後ますますその方向性が高まるのではないかと考える。 多くの日本の大学にロシアからの留学生の姿が認められるようになり、今後彼らがいかに日本社会に溶け込み、就職を果たすか、我々もその支援に取り組むことが求められているのではないか。
【総括】
ロシア社会へのコロナの影響はかなり限定的なイメージである。経済的困窮は、まだ具体的には現れていない。日本で急に登場した感があるテレワークは、ロシアの場合すでにかなり普及していて、大学の授業が遠隔授業となることも含めて、社会にも個人的にも、既視感がある。それよりも、日本がロシアから大きく後退りすることの方が問題は大きいと思える。
日本の存在感が縮小する時代に、これ以上の後退は、回復が難しくなる。それでは次にどのような局面が考えられるか。 コロナのため、日露ビジネスは大きな転換期にあると言える。 (文責:菅原)
 

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