<パーノフ元駐日ロシア大使>

ロシアに近い北海道伝えたい 元駐日大使ら映画製作


 【モスクワ則定隆史】2020~21年に実施される日ロの交流事業「日ロ地域交流年」に合わせ、アレクサンドル・パノフ元駐日ロシア大使(76)がドキュメンタリー映画「北海道 北の海への道」を製作した。パノフ氏は北海道新聞の取材に「北海道はロシアの最も近くにある日本。多くのロシア人に魅力を伝えたい」と述べ、道内で予定されている地域交流年の開会式でも作品を上映する計画だ。

 パノフ氏は、ロシアで日本との親善活動に取り組むショディエフ国際財団から映画製作の支援を受け、昨年9月と今年2月に撮影スタッフとモスクワから来日。札幌、函館、夕張、ニセコなど道内各地を訪れた。

 在札幌ロシア総領事館とも連携し、自然の風景や1次産業の現場、温泉、観光地などを撮影。ロシア語を教える大学やアイヌ民族の文化も取材し、1時間5分の作品にまとめた。

 駐日大使だった1996~03年に道内を何度も訪問したパノフ氏は「農業の進歩に驚き、食材の宝庫だと改めて感動した。北海道にはロシア極東と経済協力の展望があり、ロシア人観光客の増加も期待したい」と撮影を振り返る。作品では日本維新の会の鈴木宗男参院議員や鈴木直道知事らのインタビューも交え、「隣国」との交流拡大に意欲的な日本側の意見も伝えた。

 映画は今年4月に完成。5月に予定された地域交流年の開会式は新型コロナウイルスの影響で延期になったが、11月にロシアの日本文化フェスティバル「J―FEST」で初公開した。

 パノフ氏はロシアのテレビ局にも放送を呼びかける考えで、「取材した人はみんな友好的だった。極東以外では北海道をよく知らないロシア人も多いので、日本にはロシアとの交流に前向きな地域があることを紹介したい」と話している。(北海道新聞)

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